コラム

子どもに柔道を習わせよう!!おすすめする4つの理由。

今回は「柔道」についてはご紹介したいと思います。個人的に考える柔道のメリットやデメリット、柔道というスポーツ・習い事の背景などもご紹介し、お子さまの習い事を検討されている保護者の方の判断材料の一つにしてもらえればと思います!

最近の柔道ってどう?

柔道は日本古来の武道として広く普及しています。2012年には中学校の体育過程でも男女ともに選択科目として指導されるようになりました。

その競技人口を見てみると、全日本柔道連盟の登録者数では、2004年から2018年にかけて指導者から社会人、学生、未就学児とどのカテゴリーをみても減少傾向にあることがうかがわれます。もちろん、児童生徒数の減少のためでもありますが、特に高校生が2004年から2018年で56%となっていることから、人口減少とは別の要因で減っていると推測されます。

男女別で見てみると、

 

 

 

男子では未就学児、女子では、指導者・社会人・大学生と増加傾向にあります。日本の柔道レベルは世界一と言っても過言ではなく、世界大会やオリンピックでも毎回注目を集めています。企業などが積極的に導入するなど、注目とともにその人気は増えてきています。

世界の柔道

このように日本では約15万人ほどの登録で、一部では人気が増えてきているものの全体としての競技人口は減っている状況です。では、世界ではどうでしょう?

実は海外では柔道人気が高まりを見せています。特にフランスでは約60万人の会員がいます。オリンピックで10年無敗のテディ・リネール選手などは有名ではないでしょうか?

 

この日本とフランスの競技人口差は何が起きているのでしょうか?

オリンピック3連覇を果たした柔道家の野村忠宏さんによると、フランスでは柔道の真髄である嘉納治五郎師範が唱えた柔道の基本精神を基に、「礼儀」「勇気」「友情」「誠意」「名誉」「謙虚」「自制」「尊敬」がモラルコードとして大切にされています。それが教育現場でも評価され、保護者に信頼され、教育的観点からも人口を増やしているのです。

 

これこそ、柔道を習うメリットになるかと思います。では、ここからは、子どもが柔道を習うメリット・デメリットをまとめていきます。

柔道を習うメリット

1.心身ともに強くなる

もちろん柔道は格闘技です。技をかけあい、投げたり投げられたりを繰り返すので、肉体的にハードなスポーツです。強くなるための練習も相当激しいものになります。日々のトレーニングは、間違いなく丈夫な身体をつくります。また、こういったハードなトレーニングでも、強くなるため、試合で勝つためには乗り越えていかなければいけません。ひとりでは辛いかもしれませんが、道場には同じ練習をこなす仲間がいます。そういった環境で、歯を食いしばり乗り越えていく中で、精神面も鍛えられていきます。我慢強くなり、人としての成長が期待できます。

2.人の痛みがわかる

1.につながりますが、柔道では必ず投げられ畳にたたきつけられる経験をします。もちろん「受け身」を教わり、ケガこそ避けられたとしても、とても痛い思いをします。この「受け身」を身につけるためにも、相当キツイ練習が続きます。投げられても立ち上がり、また投げられるという繰り返しです。こういった身体的苦痛や精神的苦痛の経験をもって、今度は相手に技をかけ、投げることも経験していきます。自分が経験しているからこそ、相手の痛みや苦痛も知ることができますし、安易に相手にその痛みを与えようとはしません。指導もそのように行われます。

3.礼儀が身につく

柔道は日本古来からの武道であり、剣道などと同様に「礼に始まり礼に終わるスポーツ」と言われています。大会などの試合でももちろんそうですし、普段の練習でもそうです。試合相手や練習相手、道場にも前後で必ず「礼」をします。この習慣は普段でのあいさつにもつながります。道場での練習では、先生はただ技を教ええるだけではありません。こういった「礼」を重んじて指導しています。礼節ある人間育成が柔道の根底にあります。

4.自信がつく

これは様々な習い事に共通する点ですが、子どもが習い事を始めて、できなかったことができるようになる中で、自信をつけていきます。これまでの自分を超えて成長していくことを実感できるからです。特に、柔道では弱かった自分が相手に技をかけ投げられるようになる、相当厳しい練習を耐え抜くといった、自分の成長を実感しやすい環境があります。この自信+先にあげた武道としての精神で礼儀などが身についていくため、安易にケンカに勝てるといったことではなく、何事にでも立ち向かうという姿勢が養われていくのです。

 

柔道を習うデメリット

・体育での活躍の場が少ない

小学生などでは、球技が得意だったり、走るのが速かったりといった生徒が目立ちがちです。小さい頃から柔道を続けていても、体育の時間などで活躍する場は少ないかもしれません。

・走るのが得意ではなくなる

柔道の練習では、走り込みは球技などを習っている子どもと比較すると多くはありません。柔道を続けたから、短距離走・持久走など走ることが得意になるということはあまりないようです。

・見た目が気になる

中学や高校での部活動では、「坊主頭」が主流です。もちろん部や道場の方針にもよります。激しいトレーニングに加え、成長期でもあるので、どんどん体つきが大きくなっていきます。いわゆる「いかつい」見た目になっていきます。思春期頃のお子さまにとっては意外と気になる点です。

 

柔道を始めるのに必要なもの

柔道は身体と身体、技と技のぶつけ合いだけあって、始めるのに必要な準備物も多くはありません。

基本的には「柔道着」と「帯」のみです。準備物が少ないという点では、他の習い事と比較しても費用的にはかなり安いかと思います。

柔道着は小学生なら1着、中高生でも2~3着あれば十分だと思われます。

また、道場によってはケガした際の保険等もありますが、トータルで見ても必要経費は安い方です。

 

 

ここまで柔道のメリットやデメリットなどを紹介してきました。次にちょっと違った観点から、幼児教育として、習い事として柔道はどういった能力育成につながるのかをご紹介します。

柔道で伸ばすことができる能力

イメージ力

イメージ力とは、見えない部分を頭の中で見通す力。図形を頭の中でクルクル回せる子が、設定を見通しの立て方が得意です。この力が強いお子さんは、計算を過程なしでもミスせずに正解する力や図形の展開図が頭の中で正確に想像できます。

柔道は自分の動きを自分で理解することは難しい競技です。練習でカタを学んでも、相手の体格によって動きが変わります。そのため、どの角度で入ってどの角度で投げるかなどのイメージ力を働かせて相手と対峙するので、この力が備わっていきます。

着眼点

この力は、問題点や課題解決の出発点を見つける力です。「イメージ力」と同じことですが、答えと問題との因果関係を考えていくと、「あぁ、○○すれば、こうなるんだ!」のキッカケを見つけ出すことができます。ある一流柔道家が「柔道は“ひらめき”が大切だ」と断言されていました。相手の力を利用して勝つ競技なので、そのキッカケの数の多さが、相手を混乱させ、自分のペースで勝負できるのです。

理解力

問題文をしっかりと理解し、読み取る力です。出題の意図は何なのか、その細部まで読み取ることで全体像が見渡せるようになります。柔道は剣道と同じで、ただ力任せで相手と向き合っても勝てません。相手の細かな動きを察知し、その呼吸の一つ前で動作しないと勝てないのです。相手が醸し出す気配や空気感を読み取る、いわば裏コミュニケーションを身につけることができます。

※裏コミュニケーション・・・・表情や言葉ではなく、相手の醸し出す空気感や気配で相手の言いたいことを感じ取るコミュニケーション力。

 

このように、武道は徳育そして礼儀礼節とさらにこれらの力を育てたいまたは活かしてほしいと思われたら、お勧めです。