コラム

学童保育と習い事、公立と民間の違い

学童保育の背景

一般的に、「学童」「児童クラブ」と言われる学童保育は法律上の正式名称は「放課後児童クラブ」です。

■ 放課後児童クラブの目的 ■

保護者の保育における児童の安全を守る場であるとともに、学齢期の児童が自立するための成長支援・健全育成を実施する場にもなっている。

「仕事と子育ての両立」が国の課題となる中で、特に保育所を利用していた家庭にとって、子どもが小学校に進学する際の保護者の仕事や介護を継続するうえで、必要不可欠の制度となっていました。ただし、子どもの小学校進学を機に、保護者が仕事復帰する場合が多く、利用希望者が多くなりすぎ、待機児童が生じるという問題も起きています。

一昔前は、保護者が自主的に団体を立ち上げたり、自治体が独自の制度で実施したりといったことが多くありましたが、近年では放課後児童クラブのニースがさらに増える傾向の中で、民間企業の参入が続いています。この民間の参入により、内容も多様化する傾向にあります。

 

公立と民間の違い

先にあげたように保護者の就労が理由で、「自宅で子ども独りで留守番させるのは不安」といった流れで学童を探されるご家庭が多いと思われます。ただし、そのニーズが急激に高まる中で、待機児童も増えています。その中で民間が運営する学童施設も増えており、選択の幅は非常に広くなりました。

では、公立学童と民間学童の違いはどういった点でしょうか。まず、大きく異なるのが料金です。参考値として、一部の料金を比較すると、

公立学童:8,000円前後(地域で異なる)

民間学童:40,000円前後(コースで異なる)

公立学童は基本おやつ代の徴収であり、一般的なお預かりをする施設で、宿題のフォローをしてくださるところが大半です。一方、民間の場合はピアノやそろばん、その他の学習部門をサポートしてくださる事業所もあり、いろいろなことを習わせたいなら、民間も役立つでしょう。

ただ、学童は集団生活の場ではありますが、いろいろな地域で学童崩壊が起こっているようです。要因は、学校以上に自由度が高いことがあります。親離れしてきた児童達が自分の主張を繰り返すと、現場は収集がつかなくなります。まず通わせる前に、現場の雰囲気を見学してから決められることをお勧めします。

 

習い事としての学童

学童も子どもの成長に大きく寄与するもので、一つの習い事と考えられます。当然、民間などは様々コースがありますので、その場所によって学べる内容は異なります。ちょっと違う視点で「学童」という習い事で身につく能力をご紹介します。

ストレス耐性

問題に対して、イライラせず、冷静に取り組める力のことです。時間へのプレッシャーや難問への対応力がわかります。集団生活の中で、かつ、決められた時間制限がある中で自分のリズムが保てなくなることが多々あります。その状況を受け入れるようになると、このストレス耐性が備わってきます。

検索力

検索力とは、頭の中にある知識をうまく思い出す力のことです。暗記力にもつながります。学童はまず宿題を終わらすことから始まります。その中で漢字や言葉の意味を指導員が教えることはほとんどありません。自分で調べなければいけません。宿題後は自由時間が待っているため、調べ学習をがんばるので、自然と辞書引きのスピードアップが期待できます。

計算力

プロセスを頭でイメージして処理する力。時間の範囲内での冷静さがわかります。苦手な計算問題は別として、簡単な間違いをしないことが大切です。上記②と同じで、「早く遊びたい」が功を奏して計算スピードアップが期待できます。遊び心を刺激する大切な要素なのかもしれませんね。

 

いかがでしょうか。民間学童は料金がお高めですが、それなりのメリットも期待できます。まずは地域や近隣の学童保育の現状を見学なさってください。