習い事としての塾
習い事ランキング
様々なところで行われている習い事ランキング。やはり、年齢が下がれば下がるほど、カルチャー系、スポーツ系の習い事が多くを占めています。
「塾」というくくりでみてみると、未就学児に習わせたい、または習っている習い事のランキングでは、ほぼ登場してきません。しかし、学年が上がるにつれ、徐々にランキングでも上位に出てくるようになります。小学校の中ごろになると、TOP5に入ってくるようになります。
塾選びの方法
習い事として学習塾が検討され始めるのが小学校の中ごろから急に増えてきます。様々な理由がありますが、やはり学年が上がるにつれ、学校で習う内容が難しくなるということに合わせて、「ついていけていない教科がある」「先々のことを考えて今から対策を」といったところが直接の理由になるかと思われます。
一口に「塾」といっても様々なタイプがあります。学習塾は全国に約5万教室あると言われています。塾というとかつてはほぼ集団指導でした。時代のニーズと共に個別指導や家庭教師、自立指導など様々な形に幅を大きく広げて存在しています。その中から通塾目的に合った学習塾を選ぶ必要があります。
タイプ別の塾選び
■タイプ1「進学塾」
受験指導をメインに行う学習塾で、入試に向けたオリジナルカリキュラムを持っています。
■タイプ2「補習塾」
学校内容のフォローや個別のニーズに対応してくれる学習塾です。
■タイプ3「総合型」
受験指導だけでなく、学校内容のフォローなど複数クラスを併設している学習塾です。
形式別の塾選び
■集団指導
学校の授業と同じ形式で、同学年・レベルの生徒が同じクラス・時間で決まったカリキュラムの授業を受ける形式です。同じ課題に同じレベルの生徒で取り組むので、競争心が芽生えやすい、決まったカリキュラムなので遅れがないといったメリットがある反面、固定カリキュラムのため、ついていけなくなると追いつくのが困難、他の習い事との両立が困難といったデメリットもあります。
■個別指導
講師1名に対して生徒1名~数名で、個別の場所に分かれて指導を受ける形式です。個別の状況に合わせて、カリキュラムを用意してもらえる、自分の予定に合わせてスケジュール調整ができるなどのメリットがありますが、ライバルをつくりにくい、費用が高めになる場合があるなどのデメリットもあります。
様々なタイプの学習塾があります。上記のような違いを理解して、お子さまの通塾目的に適した環境を選ぶようにしましょう。
能力育成としての集団指導型の学習塾
このように様々なタイプに幅を広げてきた学習塾ですが、今でも集団指導がベースになっており、特に幼児期の中学受験・小学受験などの指導は先に述べたメリットもあり、集団指導がメインとなっています。
個別指導については、コチラでも取り上げていますので、ぜひ参考にしてください。
今回は、「集団指導」を能力育成の観点からご紹介します。集団指導型の学習塾に通うことで、伸ばすことができる能力は以下3点あります。
理解力
理解力とは問題文をしっかりと理解し、読み取る力です。出題の意図は何なのか、その細部まで読み取ることで全体像が見渡せるようになります。文章を読み取ることはもちろんですが、聞き取る力もこの中に含まれますし、読むスピードも要求されます。
集団指導は、個人の理解度を判断してスピードを落とすことはありません。つまり、みんなのペースに合わせて理解する力が必要です。もともと聞き取る力の強いお子さんは、この指導が向いていますし、続けることでこの「理解力」を伸ばすことができます。
イメージ力
イメージ力とは、見えない部分を頭の中で見通す力。図形を頭の中でクルクル回せる子が、設定を見通しの立て方が得意です。この力が強いお子さんは、計算を過程なしでもミスせずに正解する力や図形の展開図が頭の中で正確に想像できます。
黒板の前で先生がお話ししている内容を頭の中でしっかり描けないと理解度は深まりません。集団指導は自分のペースではなく周りのペースに合わせないといけないので、状況をしっかり把握できる力が大切です。
正確性
正確性とは正確に問題を理解し、処理する力です。判断力と処理力の見定めにつながります。
集団指導においては、どうしても自分の演習時間が短くなります。そのため、正確に処理する力がないと、処理に手間取ってしまいます。読み取る力、処理する力、そしてスピードがあるようでしたら、集団指導でも十分ついていけるでしょう。
いかがでしょうか?「受験しよう」「ついていけない教科がでてきた」などの通塾目的ができてから学習塾に通うことを検討し始める方が多いと思いますが、能力育成の観点から考えると、また違った習い事の選択ができます。短期的な目的ではなく、将来に向けて、どういった能力を伸ばしたいのかという観点での習い事選びの際に参考にしてください。